2008年10月12日日曜日

薔薇 七面鳥 俳句評論 八幡船

高柳重信の出発をどこに奥下は別として取り敢えず「薔薇」を俳壇的な出発と仮定し、この周辺の動きを各俳句誌の参加者で見てみる。




七面鳥」1号 昭和26年3月 編集兼発行者 櫻井邦彦 印刷社 高柳重信 発行所 七面鳥発行所




「薔薇」創刊号 昭和27年8月 編集人 富澤赤黄男 発行人 櫻井邦彦 発行所 薔薇の会
創刊号は手に入らずコピーで残念だ
執筆者

富澤赤黄男 本島高弓 武藤芳衛 山口草蟲子 山崎青鐘 櫻井邦彦 串田綺三郎 塚本邦雄 高柳重信 鳥海多佳男 下野博志 早川利康 岡田利作 清水盛一 岩田静穂 野田不死鳥 安達昇 千早正男 山初善之 山口壽俊 小川実 畠田弘 小野田政男 島崎朧 葉山天 川辺蒼吾 池本靖治
同人外執筆者
山本あつ子 安達昇 湊喬彦




「薔薇」復刊号 昭和32年7月 編集兼発行人
 富澤赤黄男 発行所 薔薇の会 
印刷所が火曜印刷に変わっている



執筆者
三橋鷹女 榎本沙丘 野田誠 鎌田矩夫 小川実 川邉蒼吾 船川渉 池田草舎 太田定雄 笠原弓男 赤尾兜男 永田耕男 上月乙彦 加藤克巳 高柳重信 野原正作 鳥海多佳男 長尾登 鈴木暁市 能部青夜詩 渡部杜茂子 高眞麻 石山竹吐 池上五味子 関口晃代 青江涼江 小野まち子 礁珊兵 野田輿志 三島青史 三上カナ子 豊島多美 新見嘉一 遠藤幾太郎 太田昭子 秋田六郎 前田穂翠


















2008年10月6日月曜日

俳句評論 安井浩司 野田誠 大原テルカズ

安井浩司「聲前一句」に登場する人をもう少し。
千葉の大原テルカズは市川の大野我羊「芝火」から出発した様だ。この縁から本島高弓経由で「俳句評論」創刊に参加したのだろう。
「黒い星」大原テルカズ 昭和34年 芝火社 300円 限定150部 印刷は高柳重信

安井の野田誠へのオマージュはどこか奥歯に物が挟まってい
るので何かが俳句評論内であったのだろうと想像はつくが詳細不明。訳ありなのだろう。

「敗走」野田誠 昭和35年 俳句評論社 500円 限定150部

芝不器男についてはサッパリ解らないが取り敢えず全句集を見ると句碑が建立されている。
「不器男全句集ー素月抜選草稿」芝不器男 昭和55年 発行塩崎月穂 2,000円

2008年10月5日日曜日

俳句評論 安井浩司 野田誠 大原テルカズ 島津亮

「薔薇」から「俳句評論」に続く時代の雰囲気が伝わるのは、勿論「俳句評論」の誌面に違いないが、安井浩司の「聲前一句」からは当時の同人の生身の姿が見えてくる様だ。

「聲前一句」安井浩司 昭和52年 端渓社 限定70部 
本文用紙耳付き和紙の大岡頌司造本は今でも開くと和紙の香が心地よく漂う。
取り上げられている作家は次の35人。
其角、大岡頌司、河原枇杷男、加藤郁乎、芭蕉、凡兆、石井露月、高柳重信、虚子、石田波郷、西東三鬼、志摩聰、子規、高屋秋窓、寺田澄史、中村草田男、芝不器男、平畑静塔、大原テルカズ、安藤和風、河合曾良、野田誠、藤野古白、山口誓子、富澤赤黄男、寺山修司、折笠美秋、蕪村、金子兜太、島津亮、高野素十、加藤楸邨、若山幸央、吉川五明、耕衣。

安井浩司の第一句集は砂の会叢書の第一集として川崎市万福寺の同会から発行された
「青年教」安井浩司 昭和38年 
200円

35人の中で俳句表論、あるいは高柳重信に近い句集を拾ってみる。
関西の島津亮は西東三鬼系なのかもしれない。鈴木六林男らと同行。
「紅葉寺境内」島津亮 昭和27年 梟の会 非売品 限定100部 印刷は高柳年雄

2008年9月21日日曜日

シコ・バアルキ ジルベルト・ジル 生田耕作

昼飯をブラジル帰りの友人と一緒してブラジル話で盛り上がったが、彼はどちらかといえば音楽より大地の自然に興味の中心があり若干は違うが、ブラジルは何れにしても魅力に溢れている。

というところでブラジル本を2冊、共にミュージシャンもの。

「A IMAGEM DO SOM DE CHICO BUARQUE」
シコ・ブアルキの歌詞に多くのアーティストがグラッフィクをつけた美しい絵本。「A IMAGEM DO SOM DE」シリーズの二巻目。表紙は無数の彼の顔で構成されている。


「GILUMINHOSO」Gilberto Gil CD付き

2冊とも分厚い重い本だが活字が大きく写真等のグラフィックが楽しい読みやすい割り付けになっているところが良い。

話は変わって生田耕作が亡くなったのは早すぎる気がした。バイロス画集の騒動など、警察はチクリがあれば捜査はやむを得ないのだろうが、何が猥褻だったのか不思議だった。

「聖なる神」三部作 ピエール・アンジェリック 生田耕作訳 1994年 刊行者 生田耕作先生生誕七十年記念出版会 サバト館 限定186部 肉筆原稿一葉付き 付録生田耕作書誌
完成までに紆余曲折あり生前の出版とはならなかった。

2008年9月6日土曜日

全句集

富澤赤黄男、三橋鷹女の全句集があれば当然、西東三鬼、橋本多佳子の全句集もある訳だが、それほど惹かれた訳でもないのに本棚に鎮座していたのが不思議だ。


「西東三鬼全句集」昭和46年 都市出版社 3,500円 監修 平畑静塔 三谷昭


「西東三鬼全句集」昭和47年 ニトリア書房 1,400円 監修 平畑静塔 三谷昭


「橋本多佳子全句集」昭和48年 立風書房 3,400円 限定1,000部

今は全く購入した記憶のない秋元不死男全句集が出てきたのには、自分自身が驚いた。

「秋元不死男全集」昭和55年 角川書房 9,800円

ちょっと昔の人もという興味で読んだのが篠原鳳柵だった。

「篠原鳳作全句集」昭和55年 沖積舍 4,500円 編集 前田秀子  川名大  坪内稔典

高柳重信とほぼ同時代という事で読んでみたのが鈴木六林男


「鈴木六林男全句集」昭和53年 牧神社 6,900円 限定850部

奇怪なイメージを勝手に作ってしまった加藤郁乎が俳句評論の同人と知ったときは驚いたものだった。


「定本 加藤郁乎句集」昭和50年 人文書院4,500円 限定1,000部

句集ばかりで少し飽きが来たのでブラジルにでも飛ぼうと思う。

2008年8月31日日曜日

富澤赤黄男全句集

富澤赤黄男を擁した「薔薇」は終焉、赤黄男は沈黙する。「俳句評論」へ時代は移り赤黄男全句集が刊行される。


「定本・富澤赤黄男句集」昭和40年 定本・富澤赤黄男句集刊行会 1,200円 限定500部

発起人  赤尾兜子 安住敦 阿部青蛙 有馬登良夫 井上草加江 榎島沙丘 大野我羊 永田喜代治 神生彩史 神田秀夫 北垣一柿 楠本憲吉 清水昇子 高屋秋窓 高柳重信 塚本邦雄 鳥海多佳男 内藤吐天 永田耕衣 橋間石 波止影夫 橋本夢道 平畑静塔 三谷昭 水谷砕壷 三橋鷹女 湊楊一郎 山崎青鐘 山下青芝 吉岡実

編集委員 蒲田矩夫 楠本憲吉 佐藤輝明 高柳重信 寺田澄史 鳥海多佳男 中村苑子 湊楊一郎 



「富澤赤黄男全句集」1976年 書肆林檎屋 4,500円 限定500部


定本刊行会発起人、編集委員の全句集を集めた


「赤尾兜子全句集」昭和57年 立風書房 7,000円
  自殺の報には驚いた


「永田耕衣全句集 非佛」昭和48年 冥草舎 2,500円


「三谷 昭全句集」昭和58年 俳句評論社3,800円 限定300部


「三橋鷹女全句集」昭和51年 立風書房 6,800円 限定600部


「中村苑子句集」昭和54年 立風書房 4,800円


忘れられない三橋敏雄の「眞神」は大岡頌司の端渓社の最初の出版。大型で堅牢の箱から引き出すと和紙カバーがあり三方耳付き和紙の手触り。

昭和48年 3,800円 限定200部


「三橋敏雄全句集」昭和57年 立風書房 6,800円

2008年8月12日火曜日

夢幻航海 高柳重信 弔旗 詩歌殿 

「夢幻航海」66号が岩片仁次氏より届く。此処数年時間的精神的余裕なく熟読していなかったが、今はそれ等から解放され隅から隅まで読むと、懐かしい人名やらに出会い、本当に貴重な仕事だと思う。

大宮伯爵に言及されている千秋郁子氏の文から高柳重信の逝去のときのこと、思い出す懐かしい名前が少なからず見つかる。

高柳さん逝去の晩は帰宅が遅くなり家に着くなり家内が夕刊を見せながら「高柳重信がなくなったわよ」と告げた。時刻は遅かったがとにかくお通夜にと願泉寺に車を走らせた。
参列の方々もお帰りになり静かな御霊前をお参りをすると、残っておられた寺田澄史さんにお会いできた。寺田さんから志摩聰氏を紹介される幸運を得たが、高柳さんのお引き合わせかと思う。葬儀委員長は高屋窓秋。


「高屋窓秋全句集」高屋窓秋 昭和51年 ぬ書房 限定500部 3,800円 総構成 高柳重信
 背革装

本文中に櫻井氏と姓だけだが懐かしい名前を見つけた。多分当時のことから推測するに櫻井邦彦と思われる。櫻井さんにはその昔、富澤赤黄男と当時のことを随分教えていただき、飲みに行くなど親しくおつきあいさせていただき句集も賜った。昭和57年に櫻井さんの作品をまとめたコピー本、句抄を5部作って差し上げたこともあった。


「硬い雲」櫻井邦彦 昭和59年 広軌発行所 2,500円

他に高柳重信の「弔旗」と塚本邦雄の「メトード」に言及するものあり、高柳重信の初期の同人誌を引っ張りだし、塚本邦雄関連で一時期塚本の側にいた須永朝彦の「反歌」、早川利康の個人誌も加えてみる。


右「弔旗」第一号 昭和23年 発行者 高柳重信 発行所 弔旗発行所 25円
 執筆者 野原正作 楠本憲吉 渡邉貞治 加藤元重 高柳重信
左「弔旗」第二号 昭和24年 52円
 執筆者 同上


「黒魅ミサ」創刊号 昭和25年 発行者 鳥海多佳男 発行所 黒ミサ発行所 20円
 執筆者 高柳重信 加藤元重 鳥海多佳男 下野博志 櫻井邦彦 三角幸雄 岩片仁次
 西野理郎 村松達雄 安達昇 小林守男


「反歌」No.1 昭和45年 発行者 須永朝彦 250円
 執筆者 塚本邦雄 奥村憲右 山中智恵子 大竹蓉子 服部直子 種村季弘
     中島幹恵 原田禹雄


「感情装飾」VOL.1 NO.1 昭和32年 火焔木社
 執筆者 岩田静穂 早川利康 志摩聰 前田甫水

一時期私設「薔薇図書館」なる架空施設を夢見たことがある。富澤赤黄男、高柳重信らに続く人たちの作品集を網羅的に集めてみようというものだった。その始まりを「太陽系」に見立ててみた。


「詩歌殿」NO.1 昭和23年 編集者 富澤赤黄男 発行者 水谷砕壷 発行所 太陽系社 100円
     執筆者
 評論 西脇順三郎 吉田精一 木俣修 三谷昭 高柳重信
     詩 小野十三郎 大島博光 竹中郁 近藤東 安西冬衛 北園克衛
 衣巻省三 菱山修三
   俳句 飯田蛇笏 石橋辰之助 橋本夢道 大野林火 加藤楸邨
 横山白虹 高屋窓秋 瀧春一 栗林農夫 甲田鐘一路 
 有馬登良夫 安住敦 日野草城 本島高弓 富澤赤黄男 
         水谷砕壷 
         短歌 土岐善麿 筏井嘉一 橋本徳壽 長谷川銀作 坪野哲久 
中野菊夫 松田常憲 近藤芳美 五藤美代子 宮柊二

何となく志摩聰の名前が出てきたので第一句集を古書店で見つけたときの驚きを思い出した。


「奇数」志摩聰 昭和26年 波俳句会 50円 限定200部 

2008年8月7日木曜日

岩片仁次 高橋龍 ブラジル

寺田澄史の句集「席帆境」のあとがきを見ると、製本法は岩片詩集「夢遊び」の方式を踏襲した、とあるので早速見比べてみたところその通りのようだ。


「夢遊び」岩片仁次 平成4年 夢幻航海の会 限定24部 細作 舟蕃舎(寺田澄史)

岩片仁次は個人誌「夢幻航海」を中心に高柳重信の原稿、口述を一つ残らず網羅しつつある気の遠くなるような作業を一人続けている。

「夢幻航海」夢幻航海社 

早川利康の話を聞いていた時に岩片仁次の第一作品集は彼が作ったという話だったので、奥付を確認するとその通りだ。


「拾代句集 過去帖」岩片仁次 昭和32年蝙蝠工房 印刷が早川利康の火焔木社

「夢遊び」と寺田澄史の「席帆境」を見比べながらふと、高橋龍の句集「伯爵領贋志」の装幀が「席帆境」と共通点があるように思えてきた。製本は高橋本は和綴じではあるが雰囲気は確かにある。


「伯爵領贋志」高橋龍 平成壬午年 九有似山洞 限定30部 製作は舟蕃舍(寺田澄史)
左は見返し見開き

高橋龍の個人誌「龍年簒」


個人二誌出たので故大岡頌司の「鵞」を。大岡の第一句集のあとがきを読むと、句集上梓のきっかけは、大岡の筆跡が寺山修司に似ていたからだそうだ。


ブラジルの友人から久しぶりのメール、近況を読むと大病後の健康、仕事の環境、愛情関係となかなか厳しいように受けとれるが、そこはブラジル風に生きて行けそうに感じた。20代でブラジルに移住、奥さんと娘さんとの生活は順調のようだったが、ある時会社を売り帰国。その後は夫婦でチュニジア勤務、帰国後は単身赴任でドミニカ勤務。此処で心筋梗塞で九死に一生を得て帰国。再びブラジルに移住して離婚。ドミニカ人と結婚、離婚。大手術により生死を彷徨う。大変な人生だと感服するが。

そんな訳でブラジル関係を少し


「ブラジルに魅せられて」日下野良武 1994年 毎日新聞社 1,400円

「SENTIR ブラジル--人間そして愛」鈴木一郎 平成7年 青蛙房 1,900円


「放浪記ブラジル」田嶋謙三 1997年 柏プラーノ 1,800円


「ブラジル オン・ザ・ロード」石山和男 1997年 ビレッジセンター出版局2,300円


「ブラジル夢紀行」桑野淳一 2000年 彩流社 1,900円