2008年8月2日土曜日

製本 寺田澄史 早川利康

読みたい作家の作品集が手に入らない時、初出の誌面から手書きで集めて何とか書物の形にしたいと思うときがあった。コピー代金も相当高く、当然ワープロが出現する以前の話だ。
寺田澄史の作品に惹かれてどうしても書物の形にして手元に置きたく作った最初の物。高柳重信選を誌面から拾った。


「重信選 澄史句抄」昭和57年に手書で1部自作 左 表紙 右 見返し

コピー代と活字購入で少し体裁を整えた自作

「句信 冬虫夏艸抄」昭和58年にコピーで3部自作 表紙題字等は活字を手押しで

戦後間もない頃に高柳重信と行動を共にしていた早川利康と知り合い、当時の貴重な話を聞くことができ、また氏の句集を賜ったので、お礼に「蕗子」と同形の作品集を制作して贈呈した。

左 「マヌカン」早川利康 昭和27年 28年再版 火炎木社150円 火炎木社は早川の個人誌  火炎木の発行所
右 「酔ひどれ船」アルチュール・ランボオ 早川利康訳 昭和57年に5部制作し氏に贈呈

本を遊びで作るために、本作り、製本技術書を探しまわり見つけ数冊の物。


「製本術入門」庄司喜蔵 昭和27年 芸術科学社 420円


「手づくりの本」天木佐代子 1979年 美術出版社 1,800円


「手製本を楽しむ」栃折久美子 1984年 大月書店 3,500円

これらの本ではどうにも満足いかなかった。外見を装うということと紙をキッチと綴じることの違いだと思うままで過ごしたが、とうとう念願の寺田澄史先生のもと、数人の中の一人として教わることができた。

先生の肉筆テキスト

先生の懇切丁寧なすべての工程、手に入らない道具の製作など二度とない機会であったが最後の仕上げの工程で転勤となり、誠に残念だった。それでも少なからず練習のために本格製本は続けていた。子供の夏休みの宿題の絵日記帳を手抜きのない総革製本で作ってやった。担任の先生より弟子入りしたいとの申し出があったが、そんな身の程知らずなことはできないと、鄭重にお断りした絵日記帳。


左 総革表紙 平の題字・著者名は赤革を象眼 背の題字・著者名は活字による金箔押し
右 見返しは一枚貼りではなく二枚の貼り合わせ

左 花切れは手編み 花切れを覆うキャップ付き
右 表紙芯紙の調整の良さ

0 件のコメント: