2008年7月31日木曜日

ハプスブルグ 航海 寺田澄史

BS放送でマリア・テレジアの番組を放映していた。考えるとオーストリア/スペインから中南米を支配し日の沈まぬ帝国であったのは15世紀から16世紀の100年程度だが、オーストリア・ハプスブルグ家は中欧に650年ぐらいは君臨しているのでイベリア半島のイスラム王朝と同程度、スペインに勝利した島国はその後400年ぐらい七つの海を支配した。
ここ100年程のアメリカ合衆国の覇権が今後どのくらい続くのかを考えると、歴史の単位は個人の寿命を越えて未来を知ることなく適当なことをいくらでも言い得る。中国メインランドの覇権も同様だろう。

番組はマリア・テレジアにスポットを当てていた。彼女の正式な称号をすべて紹介していたが多すぎて覚えきれない。神聖ローマ帝国のなんとから、十以上のナントカ伯爵、その外に大公あり国王ありで全く理解できない。

伯爵から連想するのは伯爵領や大宮伯爵ゴッコの高柳重信の句だ。大宮伯爵を名乗る以前に早くも伯爵に関する句を句集「蕗子」に見ることができる。「蕗子」には虹の処刑台や泳ぐ船長など印象的な句ばかりだが、宿帳に書かれた先客の名はリラダン伯爵、にはビックリしたものだ。


「ヴィリエ・ド・リラダン全集」ヴィリエ・ド・リラダン 齋藤磯雄訳 東京創元社
 限定1,500部
 第一巻 昭和49年 7,500円 第二巻 昭和50年 7,500円 第三巻 昭和50年 7,500円  第四巻 昭和50年 7,500円 第五巻 昭和51年 7,500円

スペインを破ってからの大英帝国にとって七つの海は庭の池のようなものだったろう。敗者にとっては憎っき海賊であっても、勝者には国民的英雄でサーの称号を授けられた有名な海賊もいる。

「キャプテン・クックの航海 CAPTAIN COOK」アリステア・マクリーン Alistair Maclean 越智道雄訳 昭和57年 早川書房 3,200円

こうした新しい大航海ができるのも航海術の進歩故だが、航海術の基礎は中国にあるのが面白い。


「航海の世界史 Weltgeschichte der Seefahrt」ヘルマン・シュライバー Hermann Schreiber 杉浦健之訳 1977年1978年第三刷 白水社 2,800円


「帆船時代」田中航 昭和51年 毎日新聞社 960円

航海記は成功した証として、漂流記は九死に一生を得て生還したので読める訳だが、書かれなかった航海記、漂流記は数限りなく無数にあるだろうと思いはそちらに募るが。


「スハイリ号の孤独な冒険 A world of my own」R・ノックス・ジョンストン Robin Knox-Johnston 高橋靖邦訳 1970年1979年第10刷 草思社 1,800円


「ホーン岬への航海 Two Aganst Cape Horn」ハル・ロス Hal Roth 野本謙作 昭和55年 海文堂 1,800円

船、帆船というと寺田澄史の句集を直感的に思い浮かべる。第一句集のあとがきと宇野亜喜良の飾画、全体的に北欧の森の奥深い雰囲気が印象的だ。北欧神話を読まれていたそうだが。


「副葬船」寺田澄史 昭和39年 俳句評論社 限定150部 700円 飾画 宇野亜喜良



この句集を賜ったいきさつを考えると寺田さんの優しさ、思いやりを深く感じて感謝のみ。本文の和紙は天を化粧断ちせずに和紙の肌触り、香豊かなもの。

「席帆境」寺田澄史 平成6年 夢幻航海社 限定30部

夢幻航海社は岩片仁次の個人詩「夢幻航海」発行所。岩片仁次の高柳重信に関する資料発掘、整理は貴重なライフワーク。